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2013年 02月 11日
初スタジオ撮り

実際の写真スタジオを使っての写真の勉強会に参加しました。
今回の参加人数は、7人です。
基本的な絞りとシャッタースピードから、照明効果がどう写真に影響するか
を学びます。
これは写真左側で比較的低い位置に照明をもってきたものです。
背景紙の色の変化を見ればなんとなくわかります。
ガラスの椅子前面に光が届きガラスらしさが出ています。
背景の濃淡がきつすぎる面もあります。
椅子の足の影が若干シャープにもなります。

こちらは照明を奥にずらしました。
今度はガラス前面ではなく、後ろ側からの直進で色が透過するので
ガラスの深い青が出ているのがわかります。

こちらは照明を上に上げたものです。
背景紙の色が全体的にあたっているのがわかります。
落ち着いた感じですが、ガラスの透明度がやや鈍る感じです。
スタジオでのこうした商品撮影は手前に置くレフ板(光を反射させ手前の影を
消す効果がある)によっても表情がうんと変わります。
見せたい商品とそのイメージを考えながら、撮影するわけですが
これは練習と実践しか上達はないのだと感じました。

たまたま置いてあった角材に載せてみました。
木の素材感との対比どうでしょうか。
背景も本来は入れないトレペも入れて、ガラスの透明感を出そうと
思いました。

露出を少しアンダー気味にすることで落ち着いた感じで仕上がり
ました。
少しの時間でしたが、そのものの良さを見せるだけでなく、どこで
活用するものなのかも考えなければならないと思いました。
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by nichijou-raisan
| 2013-02-11 23:41
| K-5
|
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2013年 02月 11日
四国紀行その2

四国2日目は、今回の目的地豊島へ向かいます。
豊島へは高松港からボートで移動です。
高松港から家浦港まで約40分です。

7:41分発の豊島フェリーを使います。

船の操縦席。
初めて知りましたが窓の丸い箇所は回転し波しぶきがあたっても
視界が得られるそうです。
いわばワイパーのようなものです。

家浦港の風景。
天気は曇り空なのが残念です。

今回は家浦港でレンタル電動自転車を使っての島内の移動です。
アップダウンもある島内の道路もぐんぐん走れます。
竹細工のアートが道路脇にあったりして、これも自転車ならではのもの。

島内にはいくつかのアーティストの作品が点在しています。
これは森万里子さんの作品に向かう山道。

雨が降っていて係りの人から注意して欲しいとありましたが急なのぼり坂も
あり確かに滑りそうな場所もちらほら。

「トムナフーリ」森万里子。
内部に照明が入っていて、天体的なものとあわせて共鳴するように仕組まれた
アートです。あいにく発光しているところはこの時は見られませんでした。

子供では少し危険な感じの鬱蒼とした山林ですが、現代アートと不思議
と合ってました。

しっとりとした雨音の森も神秘的です。

民家建築で使われる石垣が独特でした。
薄手の板石を縦に積んでました。

遠方に見えるのが豊島美術館。
白く丸い建築が景観性に配慮した高さ、形状にされています。

クリスチャン・ボルタンスキーの「心臓音のアーカイブ」。

海辺の一軒屋のアート作品。

心臓音を録音しデータベース化し、ランダムに鳴り響くアート。

入館料とは別で有料ですが、実際に自分の心臓音を録音しデータベースに
記録することができます。二つ部屋があり、そこで自分の心臓の上にスピーカー
を当てて録音します。録音されたデータはアート作品の一部となって、部屋の中
でいつか鳴ることになります。

真っ暗闇の部屋で心臓音に合わせて照明が明滅します。
大音響なのでそれは命について考える場であったり、胎内に戻っていく
再生の場であるのかもしれません。

データベースを聞く部屋からの眺め。
ここでは登録された人の心臓音を聞くことができます。

午後になって晴れてきてきれいな海を見ることができました。

電動のレンタサイクルはバッテリー予備もひとつ付けてもらえたので、
坂道が多くてもなんとかなりましたが、二つバッテリーを付けてちょうど
いい感じでした。
自転車だとすぐ止めることができたので非常にお薦め。

豊島美術館内のアプローチです。
豊島美術館はベネッセアートサイトを展開する福武社長の発案で
実現したそうです。
この建築は、2012年日本建築学会賞を受賞しています。
設計はプリツカー賞を受賞したSANAAの西沢立衛氏。

美術館へのアプローチは瀬戸内海の景色を見るように蛇行した
園路が計画されています。

場所性を意識した計画は安藤忠雄氏の建築に通じるものがあります。
直島も圧倒的な自然があり、その中にどう建築を定着させるのか、
建築家の手腕が問われるところです。

最初に受付に入ったところで白いドーム状の建築が見えてしまうのですが
園路を歩いていくと、美術館入り口が見えてきます。

冬は内部床面が結露しているため、ナイロンカバーつきのスリッパに履き替えて
内部に入ります。

この美術館は、内藤礼さんの水のアートのためだけの美術館として計画
されました。ドーム内部はコンクリートの無柱空間で近未来的なイメージです。
床面には内藤さんの水滴が床面に出てきて、水滴が床の勾配に沿って
動きながら大きな水滴となり消えていくアート作品があります。
ここは建築とアートが完全にひとつとなっていて、どこから建築で、どこから
アートなのかわかりません。
少なくとも、ここにいることで生命について五感で感じる場であることは
体感することができます。夕暮れ時や霧の発生している時、季節と時間に
よってそれぞれの景観があるそうです。

これはミュージアムカフェです。
同じ建築構造になっています。こちらは撮影OKとのことでした。

ドームの形に合わせてカフェ部分も円形になっていてなんとも新しい
デザインです。豊島美術館の本やおもしろい雑貨も販売されてました。
「空間というものは、そういうふうに、
そのものとして自然なものに戻っていくように生まれてくるのだろう」内藤礼
「シェルには非常に大きな穴がいくつか開けられて、そこから光や雨、美しい
自然の気配が取り込まれる。作品や環境のために建築が閉じ、しかし同時に
開く、というダイナミックな状態をつくりだそうとしている。環境と美術と建築
の融合、それらすべてでひとつの単位となるような存在を、私たちは目指し
ている。」西沢立衛
(豊島美術館ハンドブックより。)

建築は土を盛ってコンクリートが打ち込まれ、その後土を掻き出して、この
構造が可能になったそうです。建築の常識を超えたアートと建築、環境の
一体化した作品、すばらしいです。

阿部良氏による「島キッチン」という食堂。
冬季は休業とのことでしたがたまたま撮影をしていて、内部見学はOKを
いただきました。

古い民家を改装した建築で人間味のある空間です。

どこか懐かしく、また新しいそんな内装デザイン。

玄関部。ここは車を入れるには狭く、自転車ならではのアート散策が
向いてます。

青木野枝「空の粒子」

ぽつんとした島の形がかわいい。
後で見るとクリスチャン・ボルタンスキーの入場チケットにもこの島が印刷
されてました。

やはり海のある風景はいいです。

豊島は直島と小豆島の中間にあり非常に恵まれた自然環境があるわけですが
産廃問題を克服し、オリーブの栽培も多く行われるようになってます。

古くからの島の風景と現代アート。
若者が多く訪れる中で新しい島の風景が作られていくのかもしれません。

直島に比べると施設も少ないですが、自然を感じるという点では直島とは
また違ったアートの世界があります。
おすすめです。
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by nichijou-raisan
| 2013-02-11 00:37
| K-5
|
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2013年 02月 10日
四国紀行その1

今回は建築関係の団体で四国へ建築視察に行ってきました。
メインは日本建築学会賞を受賞した「豊島美術館」です。
一日目はこんぴらさんで有名な金刀比羅宮へ。
写真はJR琴平駅を下りて歩いていくと土産物のお店が建ち並びます。

中には古い旅館もあり風情が漂います。

これが参道です。
一生に一度のこんぴらまいりと言うように、私も今回が初めて。
奥社まで登れるか挑戦です。

参道途中にある金比羅大芝居「金丸座」です。
日本最古の歌舞伎劇場で1835年に建築されました。
江戸時代の劇場がそのまま残っておりしばしタイプスリップです。

劇場の入り口。低くかがんで入るのですが、位の高い人用に貴賓口という
出入り口が別に設けられています。

内部の様子です。
大きな無柱空間が壮大です。

170年も前の日本人が見ていた風景です。
感慨深いものがあります。

これは俗に言う「奈落の底」。
舞台の下ですが、回り舞台を人力で回転させます。
足元には石が埋め込んであって力が入るようになっています。

当時の華やかな上演が想像できます。

参道にある大門。
瓦葺の堂々とした構え。

参道の石段は御本宮までが785段、奥社まで入れると1368段。
登れども登れども先が見えません。

御本宮からの眺め。
晴れていれば四国の島々も見えるそうです。

御本宮です。
祭神は大物主神と崇徳天皇で海の守護神として、また農業殖産、医薬など広く
信仰されています。

金刀比羅宮のわかりやすいマーク。

立派な社殿で見ごたえあります。

社殿左右の壁には蒔絵が施されています。

神社の蔵ですが漆喰仕上げのこの建築は初めてです。

1368段を登りきると現れる奥社。
「厳魂神社」といいます。
その昔修験道の跡をとどめる天狗面が岩壁にかかげられているほど
険しい道だったようです。

御本宮からの眺め。

御本宮の並びにある建築家鈴木了二氏の緑黛殿です。
村野藤吾賞受賞・日本芸術院賞受賞を受賞した建築です。

伝統的な建築の中にあって半分は地中に埋めたモダンな建築ですが
意匠では伝統的な社殿を意識しており不思議と違和感はなかったです。

大階段は地形に沿ってできており結界の役目を果たしているのかも
しれません。

建築の中庭側は地中に埋もれたようなデザインです。
建築のボリュームをうまく考慮した格好です。

金刀比羅宮書院。
初めて知りましたが、ここには障壁画が多数納められてます。
写真に撮れないのが残念ですが、丸山応挙の「遊虎図」「遊鶴図」を筆頭
に障壁画が見られます。

こんぴらまいりした際は必見です。

これは書院庭園。

壁面に伊藤若冲の花の絵が飾られた書院もありますが見られませんでした。
特別公開もあるようなので事前チェックをお薦めします。
その2へ続く。
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by nichijou-raisan
| 2013-02-10 23:16
| K-5
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