土門拳の写真撮影入門

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「土門拳の写真撮影入門」 都築政昭 (近代文芸社)

副題は「入魂のシャッター二十二条」とあります。
日本写真界の巨匠、土門拳の写真術に焦点を当てた著作です。

私が好きな作品に「古寺巡礼」があります。
全国の寺社をまわる作品集です。

「それらはすべて、ぼくの好きなもの、ぼくが睨んで、ハッと胸打たれた
ものばかりなのである。ちうことはとりもなおさず、我々の先祖が積みあげて
きた、日本人のエネルギーを内に秘めているものたちなのである。」

と書いているように、彼の人生はカメラを通して日本人に迫った人と
いえます。

その写真にかけるパワーたるや、半身不随になっても撮影旅行に出かける
執念の人であり、自ら日本写真界の古典を作り上げたと言えます。

土門はリアリズム写真とは、現実を正しい方向に振り向けることだと
言います。

師匠なきカメラマンとして生きた土門。
建築家で好きな安藤忠雄もまた師匠なき、建築家。
共通するものを感じます。

土門は作品を撮影する際、事前に大量の書物を調べ、徹底的に相手を
知るそうです。最後に現場に行き、場合によっては何日も構えた時もある
といいます。

「実相観入」、対象を見ることで、しだいに対象と一体となります。

「カメラというものは、・・・人間の叫びをこだましあう手段に使うことが
ぼくの期待であり、またそれが本当の役目ではないかと思う。」
土門拳

写真といっても、深い作品というものからスマホやデジカメで撮る世界も
あります。

カメラマンとしての使命をもった土門の生きざま、そして作品からは
深い日本人への思いが詰まったもので今なお多くの人を感動させずに
はいれれません。

自分も写真を撮りますが非常に考えさせる本です。
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by nichijou-raisan | 2016-07-17 12:01 | レバレッジリーディング | Comments(0)