2016年 04月 26日
陶都街並探偵団 金沢ウォークその2
金沢にはふたつの風情のある町並みがあります。
そのひとつが「ひがし茶屋街」です。
偶然にも結婚式に遭遇しました。
むかしのお茶屋さんといえば、芸子さんが躍る飲食をする場所です。
今でも営業されているところが多いので、夜歩けば太鼓の音が通りからも
聞こえてきます。
金沢は江戸時代に前田利家が七尾で金箔、金沢で銀箔を打つように命じた
ことから箔打ちが始まったとされます。
写真はひがし茶屋街にある工芸品のお店「箔一」さんの金の蔵です。
実際に金箔が張ってあり、強烈なインパクトがあります。
店内は金箔の工芸品がたくさんあります。
細い街路があちこちに走っていて車の通らないヒューマンスケールの道も
残っています。ちなみにこのエリアは伝建地区の設定がされていて保護
されています。
お店ひとつの風情を感じます。
この日も観光客でごったがえしてましたが外国人には印象深いと思います。
お菓子やさんですが、ガラスのケースが時代を感じます。
ここまでくるとレトロを少し通り越す感じです。
金沢の市内の瓦はいぶしではなく、施釉タイプが使われてます。
黒光りする屋根瓦は見慣れません。
ひがし茶屋街から浅野川を渡ったところは、主計町(かずえまち)と言われる
地域です。写真は源法院というお寺の苔むした塀。
まさにオープンカフェ。
後ろに金太郎の手ぬぐいがかかっていますが、実際金太郎のような女の子が
いました。
かずえまちには、二つの名前のある坂があります。
ひとつが「あかり坂」。
作家の五木寛之氏が命名した坂で、「暗い夜のなかに明かりをともすような美しい
作品を書いた鏡花を偲んで、あかり坂と名づけた。あかり坂は、また、上がり坂の
意(こころ)でもある」と書かれてます。
もうひとつの坂が「暗がり坂」。
久保市乙剣宮から主計町に通じる小路で、日中も日の当たらない暗い坂道で
こう呼ばれているそうです。昔は人目を忍んで旦那衆がお茶屋さんに通ったと
もいいます。
中には三階建ての建築もあります。
格子が独特の街並み景観を生み出します。
浅野川。水辺のある景観は非常にほっとします。
夜景もきれいです。
とある設計事務所の玄関の意匠。
工芸品のようなデザインでかわいいです。
浅野川の堤防が若干出ていますが、石張りと相まって散歩も風情があります。
偶然見つけた「八百萬本舗」という雑貨、カフェ複合店です。
金沢城惣構跡を背後に控えていて、店内から眺められるようなしつらえになって
います。
金沢城の周囲に張り巡らされたもので、近年復元されたそうです。
店内のトイレからつながる通路の奥なので最初は何かな、と思って近づいてみると
驚きでした。
石垣部分。
民間の店舗でもこうした地域の歴史資源との結びつきはこれからの店舗デザイン
のあり方かと思います。
所せましと陳列された商品。ディスプレイもまた味があります。
町屋建築の中庭。
松の大きな盆栽が印象的です。
箪笥もこうして遊べば楽しい。
建物奥には蔵があります。
こちの中もまた店舗となっています。
二階部分は畳敷きのカフェになっていて、くつろげます。
シックなカラーでまとめられています。
町屋建築の中に作られた回り階段。
狭小スペースでコンパクト。
ハッチというホテルです。
リノベーションホテルでコンセプトもディープな金沢を味わってもらうというものです。
ホテルはドミトリー系の二段ベットの部屋とシングルがあります。
レストランに加えてツアーやワークショップも企画されていて非常におしゃれ。
柳宗理記念デザイン研究所です。
プロダクトデザイナーとして活躍した柳宗理さんの作品が展示されています。
プロダクトから伝わる作り手の思い。
心地よいアイテムがきっと見つかります。
by nichijou-raisan
| 2016-04-26 01:22
| RICOH GRⅡ