2016年 02月 27日
「荒野の庭」「夏の流れ」丸山健二
「荒野の庭」 丸山健二 (求龍堂)
小説家 丸山健二氏が晩年を庭づくりに注いぎ、その庭の写真と
文章という内容です。
庭の花と向き合いながら、ある種の悟りに似た境地に入っている
と思います。
「人は花に咲けと言う。花も人に咲けと言う。」
花の色、形がその花の個性であるのなら、人も形は見えないが
色、形に相当するものがあるはず、きっと自然を見つめることで
見えてきた哲学的な言葉の数々。
あまりに研ぎ澄まされた言葉と写真が語りかけてくれます。
「夏の流れ」 丸山健二 (講談社文芸文庫)
第56回芥川賞を受賞した「夏の流れ」を含む短編集です。
「荒野の庭」を読んで丸山氏への興味から読んでみました。
死刑囚と看守を描いた作品ですが、淡々とした文章ながら、読むほどに
描く人に没入していきます。
心理描写の鋭さは特筆すべきものがあります。
他の物語もまた丸山氏の独特のタッチで描かれる深い表現にあふれて
います。
by nichijou-raisan
| 2016-02-27 14:01
| レバレッジリーディング