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四国紀行その2

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四国2日目は、今回の目的地豊島へ向かいます。
豊島へは高松港からボートで移動です。
高松港から家浦港まで約40分です。

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7:41分発の豊島フェリーを使います。

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船の操縦席。
初めて知りましたが窓の丸い箇所は回転し波しぶきがあたっても
視界が得られるそうです。
いわばワイパーのようなものです。

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家浦港の風景。
天気は曇り空なのが残念です。

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今回は家浦港でレンタル電動自転車を使っての島内の移動です。
アップダウンもある島内の道路もぐんぐん走れます。

竹細工のアートが道路脇にあったりして、これも自転車ならではのもの。

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島内にはいくつかのアーティストの作品が点在しています。
これは森万里子さんの作品に向かう山道。

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雨が降っていて係りの人から注意して欲しいとありましたが急なのぼり坂も
あり確かに滑りそうな場所もちらほら。

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「トムナフーリ」森万里子。
内部に照明が入っていて、天体的なものとあわせて共鳴するように仕組まれた
アートです。あいにく発光しているところはこの時は見られませんでした。

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子供では少し危険な感じの鬱蒼とした山林ですが、現代アートと不思議
と合ってました。

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しっとりとした雨音の森も神秘的です。

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民家建築で使われる石垣が独特でした。
薄手の板石を縦に積んでました。

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遠方に見えるのが豊島美術館
白く丸い建築が景観性に配慮した高さ、形状にされています。

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クリスチャン・ボルタンスキーの「心臓音のアーカイブ」。

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海辺の一軒屋のアート作品。

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心臓音を録音しデータベース化し、ランダムに鳴り響くアート。

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入館料とは別で有料ですが、実際に自分の心臓音を録音しデータベースに
記録することができます。二つ部屋があり、そこで自分の心臓の上にスピーカー
を当てて録音します。録音されたデータはアート作品の一部となって、部屋の中
でいつか鳴ることになります。

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真っ暗闇の部屋で心臓音に合わせて照明が明滅します。
大音響なのでそれは命について考える場であったり、胎内に戻っていく
再生の場であるのかもしれません。

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データベースを聞く部屋からの眺め。
ここでは登録された人の心臓音を聞くことができます。

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午後になって晴れてきてきれいな海を見ることができました。

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電動のレンタサイクルはバッテリー予備もひとつ付けてもらえたので、
坂道が多くてもなんとかなりましたが、二つバッテリーを付けてちょうど
いい感じでした。
自転車だとすぐ止めることができたので非常にお薦め。

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豊島美術館内のアプローチです。
豊島美術館はベネッセアートサイトを展開する福武社長の発案で
実現したそうです。
この建築は、2012年日本建築学会賞を受賞しています。
設計はプリツカー賞を受賞したSANAAの西沢立衛氏。

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美術館へのアプローチは瀬戸内海の景色を見るように蛇行した
園路が計画されています。

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場所性を意識した計画は安藤忠雄氏の建築に通じるものがあります。
直島も圧倒的な自然があり、その中にどう建築を定着させるのか、
建築家の手腕が問われるところです。

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最初に受付に入ったところで白いドーム状の建築が見えてしまうのですが
園路を歩いていくと、美術館入り口が見えてきます。

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冬は内部床面が結露しているため、ナイロンカバーつきのスリッパに履き替えて
内部に入ります。

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この美術館は、内藤礼さんの水のアートのためだけの美術館として計画
されました。ドーム内部はコンクリートの無柱空間で近未来的なイメージです。

床面には内藤さんの水滴が床面に出てきて、水滴が床の勾配に沿って
動きながら大きな水滴となり消えていくアート作品があります。

ここは建築とアートが完全にひとつとなっていて、どこから建築で、どこから
アートなのかわかりません。

少なくとも、ここにいることで生命について五感で感じる場であることは
体感することができます。夕暮れ時や霧の発生している時、季節と時間に
よってそれぞれの景観があるそうです。

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これはミュージアムカフェです。
同じ建築構造になっています。こちらは撮影OKとのことでした。

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ドームの形に合わせてカフェ部分も円形になっていてなんとも新しい
デザインです。豊島美術館の本やおもしろい雑貨も販売されてました。

「空間というものは、そういうふうに、
 そのものとして自然なものに戻っていくように生まれてくるのだろう」内藤礼

「シェルには非常に大きな穴がいくつか開けられて、そこから光や雨、美しい
自然の気配が取り込まれる。作品や環境のために建築が閉じ、しかし同時に
開く、というダイナミックな状態をつくりだそうとしている。環境と美術と建築
の融合、それらすべてでひとつの単位となるような存在を、私たちは目指し
ている。」西沢立衛

(豊島美術館ハンドブックより。)

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建築は土を盛ってコンクリートが打ち込まれ、その後土を掻き出して、この
構造が可能になったそうです。建築の常識を超えたアートと建築、環境の
一体化した作品、すばらしいです。

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阿部良氏による「島キッチン」という食堂。
冬季は休業とのことでしたがたまたま撮影をしていて、内部見学はOKを
いただきました。

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古い民家を改装した建築で人間味のある空間です。

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どこか懐かしく、また新しいそんな内装デザイン。

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玄関部。ここは車を入れるには狭く、自転車ならではのアート散策が
向いてます。

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青木野枝「空の粒子」

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ぽつんとした島の形がかわいい。
後で見るとクリスチャン・ボルタンスキーの入場チケットにもこの島が印刷
されてました。

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やはり海のある風景はいいです。

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豊島は直島と小豆島の中間にあり非常に恵まれた自然環境があるわけですが
産廃問題を克服し、オリーブの栽培も多く行われるようになってます。

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古くからの島の風景と現代アート。
若者が多く訪れる中で新しい島の風景が作られていくのかもしれません。

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直島に比べると施設も少ないですが、自然を感じるという点では直島とは
また違ったアートの世界があります。
おすすめです。
by nichijou-raisan | 2013-02-11 00:37 | K-5