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決断力

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決断力」 羽生善治 (角川oneテーマ21)

初版は2005年、現在26版となるヒット作です。
いわずと知れた棋士、羽生さんの著作です。

彼がどう判断し決断してきたのか、幾多の試合の中でどう
考え、行動したのか、そして決定的ともいえる「決断力」を
どう考えているのか非常に興味深深です。

「まず自分の頭で考えることが先決だと思っている」

過去の定跡が正解ではないという、あくまで鵜呑みには
しないで考えることが大切だといいます。

「どんなに机上で勉強、分析しても実践でやってみて失敗した
成功した経験をしないと、理解の度合いが深まらない。」

これは体験を通してはじめて新しい発想が生まれるということ。
実践主義ということです。

本題の決断力について。

「経験を積み重ねると、さまざまな角度から判断ができるようになる。
しかし判断のための情報が増えるほど、正しい決断ができるように
なるかというと、必ずしもそうはいかない。
経験によって考える材料が増えると、迷ったり、心配したり、思考の
迷路にはまってしまう。

全体を判断する目とは大局観である。
本質を見抜く力といってもいい。その思考の基礎になるのが、勘、
つまり直観力だ。
直観力の元になるのは感性である。

感性は読書したり、音楽を聴いたり将棋界以外の人とあったり
・・・さまざまな刺激によって、総合的に研ぎ澄まされていくもの
だと思っている。」

つまり

経験→判断材料が増える→判断力がつく→迷いが出る→直観力が大切→
感性を豊かにすることが大切

という流れでしょうか。切り捨てる力ともいえるかもしれません。

また情報について

「山ほどある情報から自分に必要な情報を得るには、選ぶより、いかに捨てるか
のほうが重要なのである。」

「感性」といってもこれ、というものはないので、総合的に五感を磨き続ける
ことが必要かもしれません。
それが積み重なることで、これからこうなるという判断に基づく直感が働く
のでしょうか。

人とは違う自分の形を持つことも大切だと書いてありました。
勝負の世界は将棋だけではありません。
企業も同じ。

将棋という盤の上だけでのことかと思いきや、人間とは、判断とは、決断とは
非常に深く洞察している羽生さんのすばらしさを感じられる本です。
by nichijou-raisan | 2010-09-18 21:14 | レバレッジリーディング