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ヘコむな、この10年が面白い!

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ヘコむな、この10年が面白い!」 小寺 圭 (風雲舎)

元ソニー・チャイナ会長、小寺さんの著作です。

もはや世界から取り残された日本へのメッセージです。

彼は日本をどう展開したらいいかについて提案しています。

①日本は「モノづくり」国家から脱却すること
②日本は「事業化」を通した「コト興し」の国に変わること
③日本は「環境ビジネス」の分野で世界をリードする国になること

ものづくり日本はもはや幻想です。

携帯では、ノキアが世界シェア38%、サムスンが18%。シャープは1%。

液晶テレビでは、サムスンが世界シェア23%、LG13%、ソニー13%。

日本の技術のガラパゴス化が最近言われるようになったそうです。
日本は独自のスタンダードに固執し、通信システムの鎖国政策をとったが
故に、世界標準の商品がつくれなくなりました。

ものづくりはアジアにすでに移転されており、日本はモノ作りを捨てなければ
生きていけないといいます。

そしてモデルは、アメリカです。

PCメーカーDELLやソニー(一部)はOEMで工場を持っていません。
つまりモノを作らせる国にならなければならなりません。

韓国サムスンのたたき出す営業利益は、日本の大手電気メーカー9社を
足しても届きません。世界戦略をとっている企業はけたが違います。

日本は沈んでいる原因は、人口政策、移民政策です。
老齢化は深刻ですし、移民は労働者としてしかみないため、環境が
悪くなるという考え方しかありません。
外国人を消費者としてみることで、経済が拡大していくのですから、
考え方を変えなければなりません。

また環境問題でいけば、他国のほうがより大規模に積極的に行動しています。

アブダビでは220億ドルをかけて、カーボンフリー都市を建設中です。
Masdar City

地下のネットワークには電気自動車が走り、再生可能エネルギーで
活動する新しい都市です。すごい!の一言。
※中央のfull videoでリンクした先で、video galleryに入ってください。

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またはYOUTUBEでどうぞ。



ちなみに、設計はFoster & Partners (ロンドンの設計事務所)

中国では3.5兆円をかけて、天津エコシティーのプロジェクトをはじめ
13の都市で同様のエコシティー計画があります。
その投資総額はなんと60兆円。
中新天津生態城

HPを見るだけでもその規模の大きさ、その後のリーダーシップをとるための
戦略がみえます。

最後に日本はどう生きていくか、何を売るのか。

モノを介在させたオペレーションやサービスで儲ける術、すなわち
「事業化」が大事になってくるのです。

日本の魅力はやはりサービス。
日本はサービス立国がを考える時代に突入しているといいます。

電気自動車が普及することで、電力供給システムが変化し、
また自動運行サービスやネットワークを活用した情報が発展し
コンテンツ事業や広告事業の可能性も広がります。

また観光は最大の事業化資源といいます。

観光客数は、フランス年間7910万人、中国5300万人
日本へはたったの830万人。
相当な余力があるのと将来的にも広がる可能性があるという
わけです。

新興国を対象としたBOPビジネスもこれからです。
先進国の文化を教育し広め、将来のビジネスのベースをつくる
というものです。 P&Gやノキアはすでに対応しているようです。

「日本人が世界にどう進むか、世界に向けてその知恵とアイデアと
技術と文化をビジネスという船に乗せて、回航する海洋国家に
返信しなければならないのです。」

「世の中は必ずあなたを理解し、共鳴してくれる人がいるものです。
それはときに仲間であり、ときに顧客です。
世の成功者は、みなそういう人に支えられて成功に導かれたのです。

まわりの人を味方につけるためには、自分自身をマーケティングする
ことが大事です。

つまり、自分の持つ固有の価値を正確に把握し、十分に理解して
その付加価値を高めることです。」

非常に価値ある本です。
おすすめ。
by nichijou-raisan | 2010-08-21 15:33 | レバレッジリーディング