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「水玉の履歴書」草間彌生(集英社新書)

草間彌生の半生を振り返った著作です。水玉アートやかぼちゃのイメージが強いですが、その考え方に触れることでよりいっそう彼女のアートの本質が理解できます。

幼少期に幻覚を見るようになり精神科にも通っていました。ちょうどその頃。

「ある日、机の上の赤い花模様のテーブルクロスを見た後で、目を移すと、天井にも窓ガラスにも柱にも同じ赤い花の形が張りついていました。部屋中、体中が花模様で埋め尽くされてしまい、私は自己消滅してしまう気がしました。」

ということがありました。これはその後に続く彼女のアートを主体をなしていくことになります。

「見る人は作品の中にすっかり没入することで、日々の心配事から解き放たれます。これこそがアーティストからの最高の贈り物であり、草間が『自己消滅』というコンセプトで意味したことなのだと思います。」テートモダンのキュレーター フランシス・モリス談。

「草間のアートは心理的な抑圧からの自己の解放を願う行為でありながら、その願いが自己と世界の同時的な救済に昇華しているところに真の偉大さがあるという。」美術評論家 建畠哲談。

また彼女は言います。

 「自分にとって芸術の最大のテーマは生と死でした。・・・齢を重ねた今は、自分が後世の人にどのようなメッセージを残して死んでいけるかを、とても強く考えています。」

そして。

「どんな仕事に就いていようと、その人が今日よりも明日、明日よりも明後日と、自分の生命の輝きに一歩でも近づけたならば、虚飾と愚かさに満ちた社会のなかであっても、それは人間として生まれたことを示す、ひとつの立派な足跡となるのではないでしょうか。」

「肉体は、いつか生命が絶えるという自然界の定めによって死体となります。けれども、私が作った数々の作品は、全世界の人へのメッセージとなって残り、人格をもってひとり歩きを始めます。」

彼女の珠玉の言葉に出会える本です。




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# by nichijou-raisan | 2018-07-28 23:01 | レバレッジリーディング | Comments(0)

「民俗学の旅」宮本常一

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「民俗学の旅」宮本常一 (講談社学術文庫)

まち歩きの系譜の中で民俗学まで発展した宮本さんの功績は非常に大きく、内容は非常に深いです。

はじめに、に書かれている文章

「民俗学という学問は体験の学問であり、実践の学問であると思っている」

自身が百姓の家に生まれ生きていくためにその技術を学び実践してきました。前段は祖父、父、母、そしてふるさとを紹介していきます。自分がなぜ全国を歩き、民俗学に関わってきたのかについてその背景や縁のようなものを説明しています。古き良き日本の田舎に見られた温かい人のぬくもり、自分の道がどう決まっていったのか、宮本氏の人生が書かれてます。

「民俗学への道」という本の中で宮本氏はまた次のように言っています。

「民俗学とは、かつて文字を持たなかった民衆社会の中でおこなわれた、文化伝承の方法であった言葉と行為ー慣習的生活ーの記録化と、これをもとにして文化の原型への遡源と、文化の類型、機能を研究しようとするものである。」

農業技術指導をすることで日本の自給率をあげ、豊かな暮らしを実現しようという中から発生した土地土地の生活の技術、これらの伝承者となることが、日本民族の探求の旅でもあったといえます。

決して裕福ではなくボランティアで行っていた活動を中心であっただけに、使命感、志の高さが宮本氏の活動を支えたのではないでしょうか。

歩くことについて。

「私自身にとって歩くというのはどういうことだったのか。歩くことが好きだったのである。歩いていていろいろのものを見、いろいろのことを考える。・・・要するにひとにあい話をすることが好きだったのだろう。同時にまた人の営みを見るのが好きだった。」

「どんなところにも人間の意志が働き、それが現実のものとなっており、しかもその意思と意思には限界があり、限界が境を作っているのである。」

「われわれはただ自然といっているけれども、その自然もよく見るとほとんど人間の手が加わっており、人間の手の加わったものの中にはそこに人の生きてきた姿があり歴史があったのである。」

人生について。

「どのようにささやかな人生でも、それぞれがみずからのいのちを精一ぱいに生きるものはやはりすばらしいことである。生きるということは何かいろいろの意味があるだろうが、一人一人にとってはその可能性の限界をためしてみるような生き方をすることではないかと思う。」

文明について。

「文明の発達ということは、すべてのことがプラスになり、進歩してゆくことではなく、一方では多くのものが退化し、失われてゆきつつある。それをすべてのものが進んでいるように錯覚する。それが人間を傲慢にし、傲慢であることが文明社会の特権のように思いこんでしまう。」

一遍上人。

「口にとなふる念仏を あまねく衆生に施して これこそ常のすみかとて
いずくに宿を定めねど さすがに家の多ければ 雨にうたるる事もなし」

最後に。

「私は長いあいだ歩きつづけてきた。 その長い道程の中で考え続けた一つは、いったい進歩というのは何であろうか、発展というのは何であろうかということであった。 同時に失われていきつつあるものも多いのではないかと思う。

進歩のかげに退歩しつつあるもおんをも見定めてゆくことこそ、今われわれに課せられているもっとも重要な課題でないかと思う。

多くの人がいま忘れさろうととしていることをもう一度掘りおこしてみたいのは、あるいはその中に重要な価値や意味が含まれておりはしないかと思うからである。

これからも人間は長い道を歩いてゆかなければならないが、何が進歩であるのかということへの反省はたえずなされなkればならないのではないかと思っている。」

非常におすすめしたい本です。




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# by nichijou-raisan | 2018-07-19 08:54 | レバレッジリーディング | Comments(0)

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都市環境デザインセミナー 「なぜ『まち歩き』をするのか」山納 洋

これまで50箇所以上のまち歩きイベント「Walkin' About」を企画している大阪ガス 都市魅力研究室長の山納さんのセミナーに参加しました。

特徴的なのはいわゆるガイドさんがいません。皆である町に集まって、解散、90分のまち歩きを各自してから再び集まって、一人5分ずつシェアします。

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Walkin' Aboutでは、地域の魅力や課題を再発見し、これからの地域のあり姿をデザインし都市経営課題解決提案につなげることを目指して活動しています。今回のセミナー参加者もそれぞれがまち歩きをされている方ばかりのようでした。

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今回非常に役立つ、いわゆるまち歩きの原点、そして今までの流れがわかる方々です。読んでない本なども多く、これを機会に勉強してみたいと思います。宮本常一さんの「民俗学の旅」の序文は非常にわかりやすいそうです。まずはここから。先日の林丈二さんから知った路上観察学の元となる考現学も少し難解です。陣内さんの本も地形などの読み込みなどかなりの深さがあります。ブラタモリは調査もされていて、内容的にかなりいいそうです。

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「普通のまち、なんてものはありません

都市空間には、人が作為を持って働きかけた痕跡が複層的に蓄積されていて、注意深く観察していくと独特の容貌が見えてきます

そのようにまちを歩くことは、楽しみになるだけでなく、まちのありようを深く考え、地域をより良くデザインすることにもつながります」

納得かつすばらしい考察です。

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最後にこちらもまち歩きの専門である岸田さんによるコメント。

1,ビジネス成立性が低く事業継続性が困難 → 客単価が取れなく、質の安定も難しい
2,ガイドのボランティア性 → ガイドさんの自慢話になりやすい
3,まち歩きの魅力 → 偶然性の楽しみであって複数回やコース設定をした時点でおもしろみがなくなる

非常に深い洞察で、まち歩きをビジネスとして考えた場合に観光資源となりえるか、そんな視点があると思いました。観光立国に向けたまち歩きの重要性はますます高まりますが、どう運営してまちの魅力を感じ、発信できるか、非常に考えさせられるセミナーでした。


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# by nichijou-raisan | 2018-06-30 11:16 | 勉強会 | Comments(0)


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富山ウォーク二日目はホテルを朝出発し、高岡市に向かいます。高岡の始めは日本三大仏として有名な高岡大仏からです。

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度重なる火災を経て、昭和7年に富山県知事の勧奨があり完成、開眼式が行われました。総高は15m85cm、総重量65t、原型から鋳造まで高岡の職人によって建造された高岡銅器の象徴です。

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掲示板のありがたいお言葉です。実行することのみが未来を変えられると思います。

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大仏周辺はみやげ物店や旅館などがあります。

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坂下町通りのストリートファニチャー。やはり銅製です。

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テレビ番組で紹介されていた昆布屋さん。オーナーさんもテレビで見たままでした。

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御旅屋通り商店街。大型アーケードが設置されています。

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ストリートファニチャーに鳥獣戯画から飛び出したウサギが。

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そしてこちらは蛙とウサギ。

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大仏を後にして、次に二つの伝建地区に向かいます。最初に山町筋(やまちょうすじ)です。土蔵造りの町家が建てられたのは明治33年(1900年)の高岡の大火の後となります。

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雨どいにも彫刻が施されてます。工芸の街です。

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高岡仏壇の井波屋さん。この建物は登録有形文化財に指定されています。モダンな外壁はモザイク張りになっています。伝統的な二階の木造と一階のモダンなデザインのミスマッチ館が目立ちます。

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赤レンガが珍しい富山銀行で現在も使われています。建物は1914年(大正3年)に建築されたもので、東京駅の設計者である辰野金吾の監修で清水組が建設しました。

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高岡御車山会館です。国重要無形・無形民族文化財に指定されています。


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内部には大型の御車が展示されています。細部にわたって豪華絢爛で非常に豪華です。ユネスコ無形文化遺産にも指定されていて見所もたくさんです。

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高岡市山町筋重要伝統的建造物軍保存地区にある高岡信用金庫本店です。歴史景観に配慮して建築されました。土蔵造りの街並みにより一層貢献しています。

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駐車場は表にはなく、建物内を抜けて裏側にあります。通常駐車場は街並み景観を非常に崩しやすいためこうした配慮もすばらしいです。一階の柱、壁、駐車場アプローチは国産の黒いタイルが使われています。

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今回の楽しみにしていたひとつ、山町ヴァレーです。これは町屋を改修した商業施設になっています。文具商であった谷道商店が昭和4年に土蔵造りから洋風に改築したもので、伝統的街並みにあってモダンさのある建築です。内部はレンタルスペースに加え、いくつかのテナントが入っています。

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山町筋の街づくりコーナー。地図に見所が表示されています。こういった場所があると非常に助かります。

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これが洋風の建物を抜けた広場に面した蔵。それぞれ個性あるテナントが入っています。

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工芸の街ということもあり、市内の住宅には銅を外壁に使ったものもあります。非常に地域性が高いです。

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こちらも銅が窓枠のあたりに使われています。

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高岡のもう一つの伝建地区、金屋町。こちらも鋳物師の町並みです。

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こちらは町屋建築がよく保存されています。舗装も天然石が使われタイムスリップした感があります。高岡鋳物発祥の地として非常に栄えた町で、鋳物博物館や工芸品のお店が並びます。

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今回の訪問の最後は、国宝瑞龍寺。加賀二代藩主前田利長公の菩提をともらうために三代藩主利常公によって建立されました。山門、仏殿、法堂が国宝に指定されています。現在山門は改修工事の最中でしたが、非常に立派な伽藍でした。

二日間に渡って、富山市、高岡市と移動しましたが、歴史資産や産業資産も豊かなことがわかりました。観光という視点からどう取り組み町の活性化をしてくかはどこも課題で、若手がその産業を引き継いでいく形を作ることが一番重要かと思います。これは全国でもいえることです。これからは世界中からの観光客でにぎわう時代なのでいかに継承し、発展させていくのか、それは人の継承も含めてです。



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# by nichijou-raisan | 2018-06-25 23:54 | K-1 | Comments(0)

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2016年12月に竣工した富山県美術館です。富岩運河環水公園西に建設されたもので正面は垂直のガラスですが、平面は楕円形を切ったような形をしています。

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エントランスは1階でイタリア製の塗り壁が印象的です。入って気づくのは一階の天井が低いことです。チケットはここ1階で購入します。

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富山はアルミの大手メーカーがありますが、この富山県美術館では地元の素材が使われています。こちらの手すりもアルミです。

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2階の吹き抜け部。1階の天井の低さもあり、より富山の景観が広がりをもって取り込まれるデザインとなっています。設計は内藤廣建築設計事務所です。

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常設は20世紀の椅子展でした。

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有名なル・コルビュジェのシューズ・ロングという長椅子。名作です。

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今回初めて見た倉俣史朗の硝子の椅子。研ぎ澄まされた感性が生み出す作品です。

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椅子は壁面に並んでいるので間近で見れないものもありましたが個性ある椅子は見ていておもしろいです。

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ジョージ・シーガルの石膏作品。

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日本画家、千住博展が開催されてました。名前こそ聞いたことがあるものの実際に作品を見るのはこれが初めてです。今回高野山金剛峰寺の襖絵完成を記念したもので、当日千住さんの講演もありました。

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襖絵は、断崖図、瀧図の大きな作品です。断崖図は若き日の空海が見たであろう四国の山々が描かれています。体の芯に響く感動がありました。

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瀧図は独特の手法で描かれるもので体を突き動かす何かが内包されている感じを受けました。写真は撮影許可のある滝図の作品。ブルーライトで幻想的に体感できます。今ままで見た中にはまるでない作品でしばし動くこともできなくなるほどでした。この展示は、2018年7月29日まで開催です。

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外のウォールの水の処理。安藤忠雄の打ちっぱなしコンクリート壁と同じ処理です。壁中央に向かって水きりがしてあり、側面に流します。笠のない壁の場合は表面への汚れを防止するには有効です。

富山県美術館は富岩運河環水公園と一体となって、歴史、文化、環境を取り込む100年単位の事業だと思います。




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# by nichijou-raisan | 2018-06-24 21:27 | K-1 | Comments(0)

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今回はあいにくの曇り空でしたが一番の見所である富岩運河環水公園です。もともと洪水に悩まされていた神通川は曲折しており、明治34年からの改修工事の際、直線化する工事が始まりました。

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その工事は最初に幅2m、深さ1.5mの細い水路を作り、洪水の力で土砂を削り、少しずつ川幅を広げていくというオランダ人技師ヨハネス・デ・レーケによるものでした。

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この結果、大正11年ごろに現在の河道になりました。しかし旧河道が富山市街地を分断することから昭和3年に富山県は都市計画決定をします。

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1、富岩運河を新設し工場を誘致
2、運河を削った土砂で神通川の跡地を埋め立て、新市街地を整備
3、残る土砂で東岩瀬港の岸壁、埠頭用地を整備

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富岩運河は昭和10年に完成し富山の工業化に寄与したといいます。

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時代は移り、昭和60年に富山市は「とやま都市MIRAI計画」の対象地区として富山駅北62haを再整備することとなり、都市の貴重な水辺空間として現在の形になりました。写真は世界一美しいと言われるスターバックス。

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観光案内ではもっと高台のようなイメージでしたが実際に見てみると水辺に近い位置にあるスターバックス。中もテラスも人でいっぱいでした。天気がいいと爽快かもです。

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牛島閘門。国登録有形文化財のいたち川と富岩運河の高低差約60センチを調節する施設です。

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ラ・シャンスというフレンチレストラン。フレンチの達人坂井さんの写真が飾ってありました。挙式には最高のシチュエーションです。ガラスで視界は開け、椅子もすべて透明です。

今回はボランティアガイドさんに案内していただいたので詳しく理解することができましたが、場所の記憶、今までの歴史、これらを知ることでより深く都市に関わっていくことができるのだと思いました。


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# by nichijou-raisan | 2018-06-24 19:10 | K-1 | Comments(0)

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江戸初期から日本海を行き来する北前航路が岩瀬地域で多く営まれてました。旧富山港線時代から残る唯一の駅舎「東岩瀬駅」。現在は富山ライトレール富山港線の駅舎として使われています。レトロな風景です。

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沿線のポピーがライトレールに花を添えます。鉄道マニアにも受けそうです。

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東岩瀬駅の看板。ローマ字もフォントも味があっていいです。

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釣具店の看板。非常に手が込んでます。現在のような塗装のみの看板にはない味が出てます。

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伝統的な町屋型の建築が立ち並びます。岩瀬地区は江戸前期に港町としての形ができ、加賀藩の領地としてお蔵を持ち、米や木材を大阪や江戸に運んでいたといいます。明治6年に大火があり、約千戸あったうちの650戸が消失しました。

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北前廻船問屋 森家。

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吹き抜けの大架構は非常に立派です。当時廻船問屋は全盛を迎えていて財力があったそうです。

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これが北前船です。富山で米を積んで北海道で販売、北海道で仕入れをして富山他で販売していたため非常に利益も出たそうです。

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これが北前船の寄航地となります。かなり広範囲の航路だったことがわかります。

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丁寧かつ熱のこもった説明をしていただきました。ちなみに畳みの縁が一部欠如しているのはデザインになっているためです。

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玄関の囲炉裏の間から入っていくと広大な座敷になります。奥に深い町屋形式なので中庭があります。

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昔の長者番付の説明。この部屋は茶室ですが押入れにはなんと金庫がありました。その金庫の写真を写すと不思議な現象が。これは行った人にしか説明されないとっても秘密なことです。

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森家の土蔵群。こちらは酒屋さんの本店になっています。ワイナリーもあったり、奥はウェディング用のパーティールームにもなるフレンチレストラン。とてもおしゃれ。

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一見するとモダンな印象ですが、実は慶集寺というお寺の建物です。脇には坪庭もあり洗練された空間です。

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こちらはKARTELL富山というインテリアショップ。輸入の家具がところ狭しと並びます。

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古い町並みで一番問題なのが駐車場の処理です。ここ岩瀬の街並みの中央は旧北国街道で車道になっています。それゆえ道路沿いに駐車場ができてしまいます。この家では玄関先に門を作り手動格子戸によって車の存在を隠しています。お金と普段の手間がかかりますが、伝統的な街並みへの配慮は個々の努力が必要なところです。

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途中みかけたコンクリートブロック塀のデザイン。ツタの絡まる景色がいいです。

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富山ライトレール 富山港線。富山駅北から出て、岩瀬浜が終点です。

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富山はライトレールや市電が充実しているので車もいいですが、のんびり景色を見ながらの旅もよかったです。

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今回は観光バスで東岩瀬駅近くで降り、旧北国街道沿いの岩瀬の街並みを散策、岩瀬浜でライトレールに乗り富山駅方面に移動しました。岩瀬地区は予想以上に街並みがしっかりしてました。




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# by nichijou-raisan | 2018-06-24 16:40 | K-1 | Comments(0)

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陶都街並探偵団 富山ウォークです。今回は12名の参加で多治見から一路貸切バスにて富山に向かいました。一日目は富山市内、二日目は高岡という計画です。現代建築から歴史ある街並みや建物など満載で非常に楽しみなウォークです。

こちらはTOYAMAキラリという再開発ビルです。建築は隈研吾氏による設計。

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頭上に見えるキラリの文字。外観は独特で一段と際立ってます。壁面の角度が細かく変えられており文字通り光がキラキラ光るようになっています。

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中に入っているのは富山市ガラス美術館と富山市立図書館本館です。

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一階の壁面の御影石の意匠。カーブのひだのようになっていて凝っています。

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一階に入る富山第一銀行のATMも内観をくずさないよう色彩にも配慮されています。目だないほうがいいものは色彩を整えるだけで落ち着きます。

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受付横にあるフロア案内図。見ていて楽しいデザインです。ユニバーサルデザインの観点からは文字と背景の組み合わせが重要です。

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下からの見上げ。トップライトからの光が降り注ぎます。

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仕切りのように見えるのは富山産の杉板で意匠的に用いられています。

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館内サインもアルミでしょうか、角材をベースにしていました。

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富山市立図書館。開架式のコーナー。外の明かりが入ってくるのでまずしいくらいです。

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雑誌コーナーは幅広く、建築系は専門書がかなり並んでました。

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各書棚のサイン。こちらも角材。

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児童用のコーナー。書棚も低く設定されていてとても見やすい。奥には子供用のコーナー。

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たまたまやっていたガラス展からいくつか。

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ガラス系のアートは非常に幅広いのと、大きさの自由度、色彩の自由度が高いと思いました。

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海の底から覗いているような作品。上からの光はさしずめ太陽です。

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ガラス作品。

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周辺は都市部なので商店街あり商業施設ありの場所ですが、近代的な材料を使ったビルで、美術館が図書館に併設されていることで、来館者のアクセスは非常にいいかと思います。


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# by nichijou-raisan | 2018-06-17 23:39 | K-1 | Comments(0)

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森美術館15周年記念展で、2018年4月25日から9月17日まで開催されている「建築の日本展」です。写真は地上53階からの眺め。

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会場は9つのカテゴリーで構成されています。内部の写真は許可されているところのみなので写真はその一部となります。日本の伝統的な建築の独創性、そして現代まで続く遺伝子は何か、100のプロジェクトから探っていきます。

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こちらは復元された利休の国宝待庵。53階からの眺めが茶室の借景となっています。夜に来たら夜景がきれいだと思います。

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内部まで正確に再現されていて、内部にも入って二畳の空間を体験することができます。京都の山崎にある待庵も行ったことがありますが、復元ゆえの部分はありますが、うまく再現されていました。

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今回は会期も長いですが、実際にお茶がいただけたらもっと空間の実際の大きさを体感できると思います。亭主と客、最低二人が入ったときにどう感じるか。

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床の四隅の奥側が埋め込まれてますが、これは狭い茶室に広がりを感じさせるためです。細かな建築的な工夫もまた魅力です。

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香川県庁舎の間仕切り棚。丹下健三研究室の設計です。モダンと和の遺伝子が感じられます。

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1955年ごろの意匠は今見ても新鮮です。

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日本が誇る世界の建築家 丹下健三の自邸の模型です。大きさはなんと1/3スケール。

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こちらは最新のレーザーファイバーと映像のミックスした体感型インスタレーション。日本建築の内部空間を疑似体験できます。

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藤森さんの独特の建築。

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これがレーザーの骨格。

丹下健三、安藤忠雄、SANAA、板茂、藤本荘介、隈研吾など国際的に活躍する建築家の作品も紹介されています。おすすめです。


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# by nichijou-raisan | 2018-06-03 18:00 | RICOH GRⅡ | Comments(0)

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「スノーピーク『好きなことだけ!』を仕事にする経営」山井 太(日経BP社)

アウトドアブランドで有名なスノーピークの社長である山井さんの著作です。自社の経営について語ったもので非常に濃い内容です。

年間30から60泊をキャンプで過ごす根っからのアウトドア好きな山井さんでこそのスノーピークであると認識できます。

スノーピークは「真北の方角」が会社の方向になります。そしてそれは、「ユーザーの笑顔」であるといいます。

現在会員数は10万人。こうしたファンをどう生み出すか、これは他社と圧倒的に差別化した製品、サービスの提供であると考えてます。

80年代に9800円のテントが一般的だった時代にスノーピークが販売したのは、16万8千円。これでも初年度に100張りも売れたそうです。

スノーピークウェイという顧客と社員が一緒にキャンプを楽しむイベントを開催していて、積極的にユーザーに関わっていく。また全員で楽しめるゲームをしたりと、顧客だけでなく社員も真の顧客は誰かを認識するのに役立っているといいます。

スノーピークの商品に保証書はありません。なぜなら永久保障だからです。こう宣言することで製品へのこだわり、徹底した品質を生み出せるのです。決して真似のできないことです。

新商品開発の判断時のポイントは「使った瞬間にユーザーの想像を超えた品質、使い勝手を感じていただけるかどうか」だと山井さんは言います。シンプルですが非常に高いハードルといえます。

顧客の満足を目指すため、販売も独自の方法が取られました。まずは問屋をはずし直接販売。これによりユーザーにできるだけ安く販売することができます。また販売は社員が行います。通常は商品だけ店頭においてそのお店の販売員が応対するわけですが、スノーピークはすべて社員さんが行います。これは商品説明も含めて顧客目線になっているかどうかだからです。ここまでの徹底ぶりには頭が下がります。

また社員には、毎日日報を書かせて、全員で共有。社長である山井さんも一人ひとりの日報を読みます。会社の成長は社員の成長だからだそうです。

キャンプ好きな山井さんは自然の中に身を置くことで、自然の時間を感じとり、経営者にもプラスになるといいます。そしてキャンプは最低でも二泊は必要と。これは自然のリズムに体がなじむには二日必要ということだからです。

山井さんは自身の仕事を「これから業績を伸ばすことにつながる仕事だけしていこう」と決め、具体的には「新しいことに取り組む」か、「既存のビジネスを伸ばす」かのどちらかで、新しいことに取り組むほうが自分に合っていると思ったそうです。

経営とは何か。

「常識の集積と創造」。卓越した常識あるいは原理原則を見抜く力と言う山井さん。

また、マネジメントの観点からスノーピークを表現するとすれば、「好きなことだけを仕事にする」経営、これは「好きな製品だけを作る」ブランドと言い換えることができるといいます。

世間一般の会社の多くが、思考軸がライバル会社に対してどうするかに基づいてではなく、「好きなことをしよう」という発想が感じられないケースが多く残念という山井さん。

非常にするどい指摘です。

「スノーピークの「武器」は、経営者である私、そして企業としてのスノーピークに3つの選択の自由があることだと思う。すなわち誰に対して、どんな製品を、どんな形で売るのかを決める自由だ。この3つの組み合わせをどうしていくかを考えることこそが経営者の仕事だ。」

事業を通じて人と自然をつなぐことを目指してきたスノーピーク。そのコアな価値は「人間性の回復」

山井さんは創業の父親の経営する時代に売り上げ5億、93年には25億まで延ばしたものの、99年には14億5千万に急減、そして現在は45億。まだまだ楽しみな会社です。


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# by nichijou-raisan | 2018-05-27 22:00 | レバレッジリーディング | Comments(0)