2014年 03月 16日
陶都街並探偵団持ち出しウォーク長浜≪黒壁スクエア≫
陶都街並探偵団の今回は滋賀県の長浜です。
黒壁スクエアは年間200万人ほど訪れる人気の街です。
最初に街づくりに携わった株式会社黒壁の元役員の伊藤さんからレクチャーを
受けました。
長浜市は400年以上前に秀吉によって築かれ商人の町として栄えました。
昭和40年代にはじまった大型店の出店により中心市街地が衰退していきました。
当時の青年会議所の有志の働きかけにより、町おこし運動が始まります。
昭和63年には明治33年に建てられた黒漆喰の第百三十銀行長浜支店の取り壊し
の話が出ると、これをきっかけに第三セクターの設立につながりました。
(写真は曳山博物館)
有志の出資金と長浜市の資金1億3千万で第三セクター株式会社黒壁が平成元年に
設立されました。
初代黒壁社長が小樽の街づくりを見学し、ガラスで行こうと決めたそうです。
地元の名店「茂美志や」さん。あんかけうどん「のっぺいうどん」がおいしいです。
ちょうど設立間際に西友が郊外にオープンし、街中に人がいなくなるという事態も
ありどうやったら人を集められるのかを考えました。
大型店の中で小売りでは負けてしまう、ガラスをテーマに工房を作り文化を発信して
いく方針としました。
平成元年7月、第百三十銀行の建物は、黒壁ガラス館としてオープンしました。
文化の街づくりということで広告宣伝費もない中、NHKで取材放映され来街者が増えて
いったそうです。
JRも長浜を宣伝することで鉄道利用も増えることからガラスの長浜が発信されて
いきました。
縁もゆかりもない、ガラスですが、体験型観光としてちょうど転換期にあったともいえます。
ただ単にモノを買うのではなく、体験すること、物語を買う形です。
伊藤さんいわく、長浜市内のお客さんではなく、市外や県外からのお客さんを増やすこと
を考えて進めてこられたそうです。
目標を大きく、視点を高く持っておられたからこそ、ここまでにぎわいを作り出すことが
できてきたのだと思います。
散策すると新規出店のガラス細工のお店やカフェもあり楽しめます。
うどん屋さんですが、ゲートによってまとまり感と奥行き感が演出されています。
平成17年にオープンした海洋堂フィギュアミュージアム。
壁の恐竜は実は小さな恐竜のフィギュアでできてます。
商店街床はタイル舗装。
車も一部乗り入れます。
若者も多くくした店舗デザインを見ていても楽しめます。
土間に開けられたくぼみに玉石が。
和のテイストがさりげなく演出されています。
長浜にあるギャラリー「季の雲」の運営するゲストハウス。
知らなかったのですが、さすがの一言。
ちょうど後ろ側が曳山博物館ともつながります。
右側がレストラン、左側がゲストハウス。
天然木材工房kigumi。
かわいい木工製品がたくさんあります。
手触りのよい家具も置いてあります。
ギャラリー楽座さん。
開催されていたのは、渡辺成良さん。佐藤忠良に師事していた方で彫刻作品の
そこかしこに雰囲気がありました。
大通寺への表参道です。
床はタイル張り。散水消雪の設備が施されてました。
一部改修中でしたが、安土桃山時代の建築様式。
伏見城の遺構と伝えられる大広間や貴重な襖絵があります。
黒壁スクエアは全体が徒歩で歩けるくらいなので、ちょうどスケールもよる街歩きにも
最適です。
ちょっとした隙間にガラスが。
壁の意匠で使われる積層ガラス。
建築中のお店もいくつかあり、また訪れてみたいところです。
by nichijou-raisan
| 2014-03-16 08:28
| K-5ⅡS