2013年 01月 28日
佐川美術館
滋賀県にある佐川美術館です。
名前の通り、佐川急便が40周年記念事業として建設されたものです。
入ってすぐ建物の周囲が水に覆われていることに気づきます。
びわ湖まですぐなわけですが、水が張ってあることで空間の趣き
が変わります。
展示内容は、平山郁夫氏、彫刻家の佐藤忠良氏、陶芸家の樂吉左衞門氏
らの作品が中心となっています。
池の中央に立つ彫刻。
ピュアな印象。
建物奥に行くと樂吉左衞門氏の企画展が開催されています。
この部分は池の下にあり水面下に下りていきます。
ガラスとこうしたスリット部とあいまって周辺環境との繋がりを意識
していることがわかります。
正直なところ樂吉左衞門氏の作品を見るのは初めてでしたが、
独特の器、そしてコラボしている高谷氏のメディアワークが新鮮でした。
モノトーンな色調での統一感。
光と影の表情。
床面の色もありますが空間の違いが表現されているようです。
企画展ですが、内容はすばらしく、照明がしぼってあって暗がりの中で
作品を見るようになってました。
絞り込んだ光の中で見えてくるもの、それは己でもあるのかもしれません。
見るものとの対話を図っているという点でおもしろい展示でした。
奥に見える一連の角棒ですがスピーカーになっています。
指向性が高く、ほぼまっすぐにしか音が鳴らないタイプでしかも回転します。
陶器をイメージさせる窯の音、焼物の音が環境音として鳴り響き渡り
どこから音が鳴っているのかわからない不思議な感覚でした。
一見すると作品なのかわからないわけですが表現するとすれば異次元の
空気させ感じさせるもので印象に残りました。
メインの展示は樂茶碗ですが、マイクロプロジェクターから照射される
幾何学の光が器の釉の表現とコラボして新しい世界観ができてました。
伝統の中の革新を追求する樂家。
現代アートの高谷さんとのコラボレーション。
写真で表現できないのが残念ですが、ここは見るだけの価値のある美術館
のひとつです。間違いなく。
質感も高く重厚感のある建築ですが、コンテンツや企画も良かったです。
by nichijou-raisan
| 2013-01-28 23:48
| K-5